京都の通訳ガイドEriの小話

”大切な人を大切な場所へ”をモットーに地元京都で通訳案内士をやっています。ツアーで出会った愛すべきお客様達とのエピソードや、改めて感じた京都、日本の魅力を綴っています。#通訳ガイド#ブログ

幕末と、時々瞑想と

ハワイからのお客様との3日間。

問い合わせ時点から、観光ではなく、歴史レクチャーを希望、と言われていたので

いつも以上に下見と下調べは深めて、平安時代から、明治維新まで、歴史のターニングポイントを中心に辿るプランを提案。

お陰で、自分の中で、こんがらがったまま放置してた長州藩の動きをようやくきちんと理解できた(今更、、)

事前のやりとりでも4,5回行程を変更し、3日間のストーリーも作り、なんとか準備完了。

お会いしてみると、父方が日本人で、昔から日本に興味があり、大河もすべて見てるとのこと。

おお、大丈夫か?私?どんどん質問くるか?答えるよ!どんとこい!と構えていたら、突然

”場所のエネルギーを感じたいの”とお母様。

歴史のストーリーの世界で3日間を構成しようと張り切っていた私には想定外の展開。

でも、”了解です!どこかいいですかねぇ、、”と一緒に色々歩きながらお母さんが、ピンとくる場所を探す。そして、しばし瞑想タイム。

その間、息子は写真を撮りにでかけ、私は、私なりに絶妙な距離をあけて、側に待機。

それは、5分で済むこともあれば、30分になる事もある。

 

なので、予定が、グングン変更されていく。

予定していたルートだと、間に合わない、このお寺に先に行くと、早く着きすぎる、ランチが遅くなり過ぎて、ディナー予約変更発生など、、

裏方では、時間とルートを再計算しながら、できる限り行きたいところに行けるように、バタバタと調整。息子は無邪気にフラフラして、行方不明になるし、、

 

それでも瞑想して、スッキリしたお母さんの顔を見ると私も嬉しくなる。

一番、喜んでもらったのは、三十三間堂

これはサプライズで組み込んだが、1,000の中から、選んだ1つの前で、ずっと、ずーっと仏像と向き合うこと約30分。

本当にここへ連れてきてくれてありがとう、と目に涙を浮かべて、お礼を言ってくれた。

言葉数の少ない方なので、あまり色々聞かずに、どういたしましてー、と、だけ言って一緒にベンチに座って夕日に照らされる楼門を眺めた。何も話さなかったけど、何だかあたたかいものを受け取れた感じがした。

 

いつも比較的リアクションの大きいゲストが多いので、静かなお客様の反応だと、これでいいのかな?と焦ってしまうが、3日間静かに、でもご自身のペースでその土地のエネルギーを味わうゲストと過ごしていて、決して表に現れるリアクションだけでないんだなぁと実感。

ゲストと丁寧に歩調を合わせて、一緒に時間をシェアする感覚を大切にしたい。

 

そして can't wait to see you again!! 来年は知り合いも連れて来るわよー!(メールではテンション高めのお母様) と予約を既に入れてくれたのでした。

イェイ!

 

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