京都の通訳ガイドEriの小話

”大切な人を大切な場所へ”をモットーに地元京都で通訳案内士をやっています。ツアーで出会った愛すべきお客様達とのエピソードや、改めて感じた京都、日本の魅力を綴っています。#通訳ガイド#ブログ

これぞ借景!

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私の好きな場所、2回目は『無鄰庵』です。

南禅寺のすぐ近くにある、山県有朋の別荘だったお家です。

ここは彼の京都の別荘ということで、勿論居心地良く過ごせるように作られたからだとは思いますが、とにかく気持ちがよい。そして私が心惹かれるのは、何よりこのお庭。

THE・借景!!

にじり口のような小さな扉を腰を屈めてくぐって、ぱっと前を見ると、すーっと遠くまで見渡せる空間の気持ちよい景色。

以前番組でこのお庭を手入れするお話を見ましたが、遠近感がきちんと出るように葉っぱの1枚レベルでバランスを見ながら手入れをされているとのこと。

とことん、人の手が入っているのですが、とことん自然に近い、そう思ってただただ感心してしまうのです。

まさに昔から日本人が大事にしてきた自然との調和、 

”人と自然のハーモニーや〜” です。

ちなみに、このお庭は超こだわり派の有朋が、こーんな感じのを作りたいねん、よろしく!と自分がデザインし、それを形にしたのが当時京都で芽を出し始めた造園家、小川治兵衛。大抜擢プロジェクトです。

当時はまだ枯山水のお庭が主流だった中で、琵琶湖の疎水やら、杉、檜など、今まであまり造園に使われなかった植物を取り入れて作られた大変画期的なお庭でした。ちなみに作庭に約2年、治兵衛34歳〜36歳という時期です。山県有朋という超大物からのリクエストを実現するのは大変やったろうなぁ、、と想いを馳せます。

とにもかくにも、とても写真ではお伝えしきれないので、興味を持たれた方は是非一度訪れてみてください。

個人的なお勧めは、緑が綺麗な5月、6月頃です♪