読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

京都の通訳ガイドEriの小話

”大切な人を大切な場所へ”をモットーに地元京都で旅行プランナー、通訳案内士をやっています。ツアーで出会った愛すべきお客様達とのエピソードや、改めて感じた京都、日本の魅力を綴っています。

カメラを持たずに出掛けよう

個人旅行のアメリカからのお客様。

大学で宗教学を教えていらっしゃるということで日本の宗教にも興味津々。

仏教の考え方が好きで、なんと改宗までしたそうです。

これは、えらい難しい質問されたら困るなぁ、、と密かに怯えながら東寺までの道をぶらぶら。

 

すると道ばたに咲いている花。

” ちょっと待って、綺麗なお花♪ ”   

そういって香りを楽しむ。

 

途中の神社の大きな木の下で、

”ちょっと待って、風が気持ちいいわぁ、、”  

そういって木陰で風で揺れる葉の音を楽しむ。

 

よく見たら、手ぶら。

私:あれ? 今日手ぶらですか?

お客様:そうよ。私は旅する時はいつも手ぶら。もちろんお金はちょこっとポケットに入れてるけどね。

私:カメラとかは?

お客様:ぜーったい持っていかない。だってファインダーを覗きにいった瞬間、大事な瞬間を見逃してしまうわ。それに私はファインダー越しじゃなくて、私の目で見て、耳で聞いて、肌で感じて、その場所のその瞬間を味わいたいのよ。

私:おっしゃる通り!とっても素敵な旅の仕方ですね!

 

そして東寺に到着。

私も大好きなお寺。

空海という天才僧侶が編み出した、密教の世界観を立体的に味わえる空間。

1000年近く前の仏像を目の前に、私も改めて言葉を失います。

それでも説明しなきゃと思い、話そうとすると、しーっと言われて、

お客様:ごめん Eri、この場所はじっくり味わいたいわ、少し1人の時間を頂戴、とのこと。

約30分ほど、じっくり1つ1つの仏像を見て味わうお客様。

沈黙のまま、一緒にお堂から出て、ほっとため息。

お客様:ほんと素敵な場所、素敵な仏様に会えたわぁ、、、。

私:どの仏様が気に入りましたか?

お客様:私は、、、右のかな。とっても優しい顔、私の祖母とそっくりだったわ。

私:私もですー!私が一番好きなのもこの菩薩様なんです〜!!

と、つい嬉しくなり盛り上がる。

その後、改めてお堂に入り、それぞれの仏様についてご説明。

私の話を、お堂の柱を愛おしそうに触れながら(いや、抱きつきながら)、じっくりと聞いていらっしゃいました。

きっといつもそうやって味わって暮らしてはるんやろなぁというのが伝わってくる優しい笑顔の素敵な方でした。 

f:id:kyototravel:20160808201600p:plain

 

今回のツアーで私自身とても大切な事を改めて気付かせてもらったような気がします。

カメラも携帯も持たず、”今”を自分の五感でしっかりと味わう!

それぞ旅の醍醐味です。

 

、、と思いつつ、久しぶりのヨーロッパ旅行で500枚近くも撮りまくっていた私です汗