京都の通訳ガイドEriの小話

”大切な人を大切な場所へ”をモットーに地元京都で通訳案内士をやっています。ツアーで出会った愛すべきお客様達とのエピソードや、改めて感じた京都、日本の魅力を綴っています。#通訳ガイド#ブログ

この中に、休日に、そして英語で診察してくださるお医者さまはいらっしゃいませんか〜?

ポルトガルからのご夫婦。

本日の予定を確認して、さぁスタート!とホテルを出た瞬間、

ダンナ様:Eri  ちょっと最初に薬局に寄っていきたいんだけど

と、リクエスト。

了解しました〜、ということで、ちょうどホテルを出てすぐの角の薬局に。

私:何を買いたいですか?

ダンナ様:Diabetes の薬だよ

なんだろ、それ?と思って急いで辞書で調べると”糖尿病”のお薬。

持参されていたものがあったので、そちらを薬局の方に見せると、、

店員:あー、糖尿病のお薬はここでは買えないんですよ。処方箋がいります。

あら、残念と思い、その旨を伝えると

ダンナ様:それは困るよ。だってあと2日分しか残っていない、、

奥様:そうなのよ、飲まないと大変なの

大変って、どう大変なのでしょう、、

ダンナ様:めちゃくちゃ体調が悪くなるから、どうしても薬は必要なんだよ〜

私のほぼない医療知識を総動員して想像してみると、要は血糖値がなんやらかんやら困った事になるという事で、とにかく”絶対に”必要という事がわかりました。

えー!それって大変やん!と事の重大さに気付いた私。

そんな大事な薬どうして持ってこなかったの、、という言葉を飲み込みつつ、話を伺うと今お住まいの香港では処方箋無しで買えるので、日本でも同じだと思ったそうです。

私:えーっと、、どうしましょう。今から病院に行きますか?ただ今日は休日なのでやっている病院が少なくて、まず探してみますが、、

ダンナ様:今日は、いいよ。今日は予定通りツアーをしよう!

とのことで、えー、、この後、薬どうするんや、、とめちゃくちゃ気になりながらも、ともかく気持ちを切り替えてツアー再開!その日は1日京都を巡りました。

 

そして、ツアー後、ホテルまでお見送りして

再び浮上した、お薬問題。

さぁ、どうする。

ダンナ様:Eri 明日は都合は空いているかい?

私:はい、あいてますよ。明日病院一緒に行きましょうか?(自ら言ってしまった)

奥様:そうしてくれると助かるわ、追加のお金も払うから、どうぞ宜しくね。

と、オフを返上して病院に行く事になりました。

 

大変だったのは、ここから。

なぜなら翌日は祝日。そもそも開いている病院が少ない。。

急いで情報収集。

まずはホテルのスタッフの方に聞き込み。収穫無し、、

近くの薬局のスタッフの方に聞き込み。収穫無し、、

知り合いのお医者さんに聞き込み。収穫無し、、

ダメもとで京都市の観光局に聞き込み。収穫無し、、

しょうがなく、家に帰ってネットで検索。

休日診療しているところ、そして英語対応してくれるところを検索検索。。。

全然出てこない〜!

えー!こんなにないものなん、、、

困る困る、ダンナ様の血糖値が大変な事になってしまう、、と私の心拍数も高鳴りながら、取り急ぎ休日診療をしている病院に片っ端から電話。

状況を伝えていくが、いずれも対応できる医師がいない、急患以外は無理、海外のお客様は診れない、診察はできても薬を出せるかわからない、、等でどうにも見つからない。その日はもう夜になり結局見つからず、、残ったリストを翌日の朝からまた電話。

そんな中、1つの病院が、薬を出せるかは保証できませんが努力はします、英語対応できないので通訳はしてくれるならいいですよ、とのこと。

おー!!ありがとうありがとう!

もう、ここにかけるしかない、ということで、診察の通訳なんてできないなぁ、、と不安になりつつも、一応出てきそうな単語は調べて一緒に病院へ。

 

ふたを開けてみると、若い男性のお医者さん。

しかも英語も話せる!

しかも診察は問診だけ(!)

”何錠出しときましょか〜” 、と、さくっとお薬を出してくれました。

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はぁ〜良かった〜、、、とようやく肩の荷がおりました。

ダンナ様:結構、簡単に薬もらえたね ♪

いやいや、ほんまラッキーでしたから、、と思いながら

とにかく、これにてダンナ様の血糖値は守られたのでした。

めでたし、めでたし。

 

高齢のお客様も多いので、このようなお薬問題は今後もあるかもしれません。

何より国によってもお薬事情が違うのだと学びになりました。

そしてどうぞ、常備薬は必ず多めに持ってお越し下さいませ〜。