京都の通訳ガイドEriの小話

”大切な人を大切な場所へ”をモットーに地元京都で通訳案内士をやっています。ツアーで出会った愛すべきお客様達とのエピソードや、改めて感じた京都、日本の魅力を綴っています。

Guestの日本への興味度合い 〜シリーズ:京都インバウンドの現場から〜

ガイドの現場に出る前、プライベートガイドを付けるお客様というのは、既に日本や文化に興味があって、更に深く知りたいからガイドを雇うのでは、と思っていた。

が、現実はちょっと違っていた。

あくまで、私が関わっているお客様という前提になるがプライベートガイドを付けて、ツアーをするお客様のタイプは大きく2つ。

・丸投げタイプ

自分で色々調べるのは面倒くさい、有料でも良いので誰かに任せたい。日本の事もあまり知らない、行ったことが無いから今回来た。

・オタクタイプ

いわゆる日本好き、歴史や文化、多いのは庭園やアートなどに興味があり、自宅にも日本ぽい空間や絵画などがあるタイプ。ガイドブックに載っているような内容や場所ではなくて、もっと詳しく話を知りたいし、本当の経験をしたい。

 

感覚値的には丸投げ:オタク=8:2くらいの割合。

 

つまりほとんどが、

今日一日は君に任せるから、宜しく〜♪ と丸っと頼んでくるタイプだ。

彼らの特徴は、初めての日本、初めての京都。

ものすごく日本に興味があって来た、というよりは、アジアに行ってみたかった、タイや香港には行った事があったけど日本はまだだった、クルーズでたまたま立ち寄った、という、気軽なスタンス。なので日本に関する知識や興味は特にそこまで高くはない。

つまり”日本初心者”なのだ。

知識も興味も初心者の人に、いかに楽しんでもらうか、好奇心を持ってもらうか、それを意識した情報提供やサービス設計が大事になってくる。

 

ガイドとして一番意識する事は、”彼らにとって” 分かりやすい、興味深い、訪問地を選び、飽きが来ない様なルート設計や演出、そして現場でのガイディングだ。

日本人が見て欲しいもの、PRしたいものを伝えても、押し売りでしかない。ふらーっと、気軽に日本に訪れたお客さんに、切々と日本の歴史や文化の深さなどを、いきなり説いても正直あまり響かない。大事なのはguestが喜ぶもの、楽しむものは何か、という視点である。

 

そう考えると色々な体験サービスやインバウンド誘致の為のコンテンツは、日本の知識がある、日本に興味がある人を前提としたものが多いような印象を受ける。(もしここを狙うなら来日や体験前にしっかりとモチベートする為の施策が重要だ)

 

例えば京都で夏といえば、祇園祭送り火だが、それを目的に来るというguestは、ほとんど見た事がないし、海外の旅行会社が作った行程に祇園祭が組み込まれていることもまず無い。たまたまこの時期に旅行に来たら、お祭りがやっているみたいだから見てみよう、くらいのスタンスである。

  

最近のテレビ番組やメディアの報道の仕方をみると日本大好き♥️な外国人が、憧れの日本にやってきてホンモノの日本の良さに感動する!というトーンのものが多いが、現場感覚としては、そういったケースはごく一部で、多くは”日本初心者”。ふらっと気軽な気持ちで日本を選んでやってきた旅行者。

だからこそ、そういった初心者にもわかりやすく、更には彼らの好奇心に火を付けて、これを機に日本ファンになってもらう、そういう情報やコンテンツの発信・伝え方が大事だと切に感じる。

何より、そこが現場のガイドとしては”腕の見せ所”であると思う。

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