京都の通訳ガイドEriの小話

”大切な人を大切な場所へ”をモットーに地元京都で通訳案内士をやっています。ツアーで出会った愛すべきお客様達とのエピソードや、改めて感じた京都、日本の魅力を綴っています。#通訳ガイド#ブログ

ツアーと人生、時間の使い方

私はプライベートツアーをメインで担当するので基本的にツアーの行程はお客様次第だ。

もうあなたに任せるわ!と丸投げしてくる人もいるし

これと、これとこれは絶対に行きたい!としっかりとリストを送ってくる人もいる。

私はこういう時間の過ごし方が好き、奥さんはこういうタイプの人間だ、と思考や嗜好、人柄を伝えてくる人もいる。

 

事前にやりとりしたメッセージ、やりとりから、お客さんの事を想像して行程設計をする。

この行程設計が結構時間がかかるし、一番考え抜く時間になる。

それは、限られた時間を、どのように効率的に、効果的に、その日が最後終わった時に良かったと思えるようにと感じてもらうか、体調や疲労、また気持ちや感情を想像しながら設計するからだ。

 

ガイドの仕事は、本当に”時間”を意識する。

それは、ツアーの時間は決められており、有限であり、特に私の場合、欧米のお客様が多いので、恐らく最初で最後の日本になる可能性が高い(と思っている)からだ。

つまり一度きりの、この土地での滞在の限られた時間を、いかに有意義に過ごしてもらうか、という緊張感がいつもある。

また、いつでも来る機会があるよねー、というケースの行程設計とは変わってくる。

 

そう考えた時に、最近感じたのは、おぉ、まさに旅は人生じゃないか!という事。

当り前だが、人生は有限だ。そして同じ毎日の繰り返しのようだが、実は最初で最後の経験の連続をしている。有限の時間で、自分は何を経験し体験するのか、旅での時間の過ごし方を考えるのは、人生の時間の過ごし方を考える事に似ている気がする。

そして、この有限の時間をどう使うか、というところに、価値観が現れてくる。

あるお客様は、8時間のうち2時間(!)を使って、ゆっくりと美味しい料理を食べたいという。一方でとにかく休憩を入れずに出来る限り沢山みたいんだ、という人もいる。口コミサイトで人気の所に拘る人もいれば、自分が好きな空間であれば、有名かどうか、という評価は気にせず、そこでゆっくり過ごす時間を取りたいという人もいる。地元の人と触れ合いたい人もいれば、自分たちだけで会話で、現地の人とのコミュニケーションに興味のない人もいる。とにかく快適に専用車で移動!したい人もいれば、電車バスで遠回りもしながら移動してみたい人もいる。

そういう、お客様からのリクエストや現場での表情や感想を見る中で、色々な価値観に触れているなぁと感じさせられる。

 

そして、振り返る。

自分は一体、この有限の時間を何に、どうやって使いたいのだろう?

 

飛躍し過ぎかもしれないが

時間が有限であると実感しながら過ごす旅とは、長ーい(と思っている)人生が凝縮された数日で、その時間の使い方に自分らしさが見えてくる新しい発見の機会かもしれない。

 

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