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京都の通訳ガイドEriの小話

”大切な人を大切な場所へ”をモットーに地元京都で旅行プランナー、通訳案内士をやっています。ツアーで出会った愛すべきお客様達とのエピソードや、改めて感じた京都、日本の魅力を綴っています。

Guestが京都で一番喜ぶ場所はどこか 〜シリーズ:京都インバウンドの現場から〜

私の場合プライベートツアーを専門としていますが、当日のツアー内容は大きく2種類。①あらかじめ旅行会社が設定した行程 ②事前にguestとやりとして、相談して決めた行程

 

最近は、直接予約のお客様が増えて②のケースが多い。

その際にguestからリクエストとして上がってくる訪問地で多いのが 『金閣寺・竹林の道・伏見稲荷大社』。勿論他の場所も上がってくるが、この3つがやはり多い。これはあらゆるウェブサイトやガイドブックなどの影響が大きく出ていると考えられる。

そして、実際にツアーを実施して、上記の希望場所も含めて色々巡る中で、guestが、どこを一番喜んでいるか。。

 

これは、ずばり「金閣寺

ベタに金閣、されど金閣、やはり金閣

明らかに他の訪問地と、guestのリアクションは違うし、感動度も高い。

嘘かと思われるが、1ヶ月に何回も訪れる私でさえも、毎回、『わぁ、、素敵やん・・♥️』と感じてしまう。

一体、他の場所と金閣は何が違うのか。

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① わかりやすさ & ユニークさ

② サプライズ感

③ 混雑に影響を受けない、景色の完璧さ

金閣寺らしさを保っている

 

①は外国人向けには特に大切だ。

金閣がドーン!

見た目のインパクト、わかりやすさ、そしてここにしかない、今まで見た事がないユニークさがある事。知識や情報が無くても、視覚でパッと理解できるシンプルな魅力。

 

②は、まさに、日本庭園デザインの王道テクニックが功を奏した結果。

拝観券をもらい、小さな入口を抜けて、いよいよかぁと思いながら参道をふらーっと歩いていると、次の角を曲がった瞬間、突如目の前に現れる景色。この導線設計とサプライズ感が、インパクトを増大させている。

 

そして大きいのが③。これも庭園デザイン、導線設計のなせる技。

とにかく多くの観光客がひっきりなしに訪れる場所なので、金閣の池の前は正直カオス。しかし池をはさんで金閣を見た時、その景色は完璧。観光客も余計な建物も写り込まない。背景の山を借景とし、目の前の池には金閣が写り込み、静かに堂々と佇む完璧さ。その後、池の周りをぐるぐると歩いて行くが、見事な導線設計で、変化する景色を楽しみながら、常に完全な景色を保っている。

観光地として有名になると、人の多さ・混雑によって魅力が半減してしまう場所もあるが、金閣寺の場合は人の多さに影響を受けず、景観の品質を保てている。

これが、伏見稲荷や竹林の道だとこうはいかない。

おお、写真で見てたあの景色の場所に遂に来た!という高揚感で一歩中に入ると、人の群れ・・・写真を撮ろうにも人の頭が沢山出し、雰囲気もどうしても写真とは違う。

 

そして最後の④。

それぞれの観光地に、それぞれの良さがあり、そして観光客が無意識に期待している”らしさ”があると感じる。

例えば龍安寺。石庭が有名な禅のお庭。

このお庭の”らしさ”を楽しむには、やはり”静寂”や”凛とした空気感”が欲しいところ。そっと庭の前に佇んで、静かに自分と向き合う、そういう場を味わいたい。

しかし繁忙期にもなると、団体ツアーの旅行者や、沢山の修学旅行生、そして彼らに大声で説明するタクシーの運転手さん達。ワイワイとした雰囲気の石庭になってしまうと、ちょっと思っていたのとは違う、もしくは、何がいいのかわからない、、となってしまう事もある。やはり石庭の良さを味わう、石庭らしさには、”静寂”が必要だからだ。

一方で、金閣寺にはそこまで”静寂”が必須条件とは感じない。

もちろん、静かな金閣寺も魅力があるが、ワイワイしていても、その場所の高揚感としてプラスになってくる。むしろ金閣寺の景色の中に、修理中のブルーシートがドーンとあったり、現代的な建物が入り込んだりすると一気に金閣寺”らしさ”が失われ、興ざめしてしまうかもしれない。

景観美・デザインこそが金閣寺の魅力であり、”らしさ”。

それを保てている限り、訪れた観光客の期待は裏切らないし、むしろ期待を超えてくるケースの方が多い。

 

多くの観光客で賑わう、有名観光地でありながら、観光客の多さ、混雑に影響を受けない景観美・品質、そして導線設計が金閣寺らしさを保ち続けて、人を魅了し続けているのだと思う。

 

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上記内容は、直近約2年間、京都での通訳ガイド現場を通じての考察です。

*お客様属性概要

-FIT (カップル or ファミリー)

-国籍(60% アメリカ・ 20% オーストラリア・ 15% ヨーロッパ・ 5% アジア)

-来日経験(約95% 初めて)

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