京都の通訳ガイドEriの小話

”大切な人を大切な場所へ”をモットーに地元京都で通訳案内士をやっています。ツアーで出会った愛すべきお客様達とのエピソードや、改めて感じた京都、日本の魅力を綴っています。

全員が楽しむスタイル

(お迎えの様子) 

フィリピン3世代ファミリーとのツアー。

最初の目的地、金閣寺に到着。

朝から中々の混雑ぶり。

それもお構いなしに、Wao〜!と喜ぶご家族。

そして写真撮影開始!

撮ります。撮ります。たくさん撮ります。

日本だと子供を並ばせて、はーい、写真撮るよ〜。と子供主体のイメージですが、とにかく夫婦が中心。お父さんとお母さんのカップル写真を、セルフィーで色々な角度・構図で何度も撮ります。

参道途中にある、コイン投げ(何故か最近できた、、)の場所では、親が楽しむ&ハッスル。僕もやりたーい、と子供達もエンジョイ。

とにかく親が一番に楽しむ。

それを見て、なんだか子供達もテンション上がってくる、の構図。

 

次は龍安寺

お堂に入る前の階段。青紅葉のトンネルのようになった涼やかな空間。帰りたーい、帰りたーい、とぐずっていた娘が、わぁ、、、、ここはとっても綺麗ねぇ、、と初めて落ち着いて景色をニコニコ鑑賞。

おお、この良さ分かる??ワタクシは嬉しいですよ、、と思いながら写真を撮ってあげる。

そしてお庭では石の数クイズ!さて、このお庭に石(rock)はいくつあるでしょうか?ノリの良い夫婦は”当たったら、prizeがあるのよね”、と言いながらカウント。

奥様:3000

だんな様:4000

え???  なぜ、そんなに?

どうやら、私の伝え方が悪く、敷き詰められた小石の数を当てようとしてました。

 

そして、嵐山に移動。

天龍寺をぐるっと拝観。

お庭の鯉に大興奮。鯉とのセルフィーにも挑戦。

庭園の出口近くには竹が見え始めると、これまた大興奮。

あー、これが例のBamboo grove ね!

いや、まだここはお寺の中で、groveは出てからですよ、、という私の声も届かず、お寺の敷地の竹の前でも写真を沢山。

行きますよ〜!と声をかけても、後から追いかけるから先行っといて〜、と夫婦での写真撮影。

しょうがないので、子供達とおじいさま達とゆっくりペースで歩きながら散策。

おじい様:Eri, 実は私はリタイアしてから絵を書いてるんだよ。竹もあんまり見た事無いけど描いてるんだよ。

そういって、見せてもらった絵の写真が素敵!ビビッドな色遣いで空に向かってぐんと伸びる竹の絵。

(↓これは、単なる竹のイメージ図)

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私:とっても素敵な絵ですね。これはアートとして売れるんじゃないですか?

おじい様:うん、時々アメリカ人が買いにくるよ。特に経営者達が竹が好きでねぇ、、竹はすくすく伸びるけど、ある一定の所で止まって、あとは少し首をかしげて下を向いて風に身を任せてたなびいてだろ。人も一緒で、周りから抜きん出て成長してもいつかどこかで立ち止まってしっかり周りと併せて、そして皆を見て、温かく見守っていかないとあかん。それは経営者として大事な資質じゃよ。謙虚であることも大事なこと。それを竹は生きてるだけで伝えてくれる、そこが魅力なんじゃ。

私:あー、それは日本だと稲穂で例えたりしますよ。

その後、よくよく聞くと現役時代は会社の社長や政府の高官をされていたというおじい様。経営論、哲学の話になり、思いのほか、深い話にすっかり話し込む私達。

おじい様:今日は、ほんものの竹に触れる事ができて、音も聞けて、私にはまさに目の前に見えてくるように感じるよ、、、国に帰ったら、早速描きたいなぁ、、

ほとんど視力は無いということですが、五感を使って、じっくりとインスピレーションを得ている様子にちょっと感動をしてしまいました。

その頃、おばあ様は土産物屋の漬け物に興味深々。実はパパイヤピクルスが得意料理&更に好きが高じて販売もしているとのことで、日本のピクルスを徹底的に試食&リサーチ。

息子は電車大好きとのこと。ジオラマ博物館を猛烈に希望。

娘はかわいい服が着たいのぉ〜、とのことでレンタル着物屋の前でうろちょろ。

そうこうしているうちに、夫婦が合流。

奥様:あらー、ここで着物が着れるの?写真撮っていいの?やりたーい!!

娘:私が最初に見つけたのよ!

おばあ様:私もこういうのは結構好きなのよ。

ということで、急遽レディースは着物への着替えとなり、着物を着て、再度写真がとりたいところが沢山あるとのことで、現地解散。

 

3世代、それぞれのフォローをしてくのは大変ですが

日本では子供中心や、誰かが中心で周りがサポートするような構図を見ますが

家族それぞれ全員が自分のやりたい事を思いっきり楽しんで、それを見て周りもまた楽しくなってくる、

そんな様子に、なんだかいいなぁと思えたツアーだったのでした。